わたつみの彫りや入江の精緻さよ



いよいよ夏本番ですね。今日は7月6日。日本列島はうだるような暑さですね。若いころは暑さの夏はむしろ楽しみでした。利根川の支流で桃の木川という川がありますが、その川にはサイクリングコースが整備されています。川風も気持ちよく、数時間の自転車の旅を楽しんだものです。今は、歩くのもちょっとおっくうになり、転ばないように気をつけています。もはや、見得も外聞もありません。でも、やはり日本の夏はいいですね。
能登半島の能登町には、九十九湾という素晴らしい景勝地があります。出不精のわたくしには、動画は居ながらにして楽しめます。少々お付き合いくだされば幸いです。
九十九湾には無理やりの装飾はありません。しかし、できるだけあるがままの景観を大切にしたいという、地元の人々の気持ちが感じられます。
群馬県の上毛かるたには、「尾瀬国立公園」の美しさを詠んだ、“仙境尾瀬沼花の原”という読み札があります。尾瀬といえば、なんといっても水芭蕉ですね。それとニッコウキスゲやワタスゲなど。まさに仙境にふさわしい花の原です。
九十九湾には遊覧船が運航されていて、蓬莱島という島には仙人がすむ仙境と伝えられているそうです。内陸と海の違いはありますが、尾瀬と九十九湾の美しさを、同じ仙境という言葉で表現されているのが嬉しいです。
これは動画で教えてもらったことですが、入江の対岸には能登町の黒瓦の民家が見えるそうです。
そもそも輪島市などで、九州などから漁業の縁で定住を許された時代の名残でしょうか、黒瓦には歴史の重みを感じますよね。
遊覧船からの景観には2024年の能登半島地震や豪雨災害の爪痕も残されています。
ですが、透明度抜群の九十九湾は、同時にたくさんの入江があります。カニやエビなど、栄養豊富な環境で、魚種もたくさん生息しています。
ここでは夏から秋にかけて、特に子供さんには、楽しい企画がもりだくさんです。魚の餌付け体験や、タコやアジにじかに触れることも。最初はおっかなびっくりでも、すぐに魚とお友達みたいに。
「イカの駅つくモール」では、力強く「地震からの完全復活!」と宣言し、本年4月からは遊覧船の運行も再開し、7月3日よりレストランもグランドオープンしています。



能登小木港のいか釣り漁船の歴史は古く、大正時代からといいますから、もう100年以上たつんですね。とりわけスルメイカでは、函館港、八戸港と並んで、3大漁港といわれているそうです。
巨大なモニュメントイカキングは、その名の通り、長さが13メートル、高さは4メートル、重さは5トン!すごいですね、地震の時の津波にもほとんど損傷がなかったようです。今や、復興のシンボルの存在感を放っています。
余談ではありますが、飛行機や車の構造で、モノコックボディといわれますよね。津波にもほとんどダメージを受けなかったのは、イカキングの理にかなったボディの構造も、その理由のひとつではなかったんでしょうか。まさに、不死身のイカキング、復興のモニュメントですね。
夏休み等でお時間に余裕があれば、「のと海洋ふれあいセンター」は、いわば海のミュージアム、とても内容の濃い施設です。
岩場の多い磯って、ある意味、小さな生物が生き延びるチャンスの多い場所のような気がします。天敵から身を隠すには、まっさらな砂浜より、岩場の方がいいですよね。
お魚と触れ合うことで、子供さんなりに、様々な思いをお持ち帰りになると思います。
また、こちらでは、シュノーケリングや各種貝殻からのクラフトづくり、能登の伝統産業の塩づくりなども体験できるそうです。
是非、「のと海洋ふれあいセンター」のウェブサイトもご覧ください。