わたつみの彫りや入江の精緻さよ

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待ち人や鳩待峠に鳥騒ぎ

鳩待峠は尾瀬の群馬県側の入り口です。鳩待峠なんて、すごいいい名前ですよね。その名の由来はいくつかありますが、わたくしがグッと胸に来る言い伝えがあります。尾瀬沼は既に江戸時代より福島県側の桧枝岐村方面と様々な交易がありました。厳しい寒さの中で一冬、木こりや炭焼きなどで家族と別れて尾瀬沼で作業をしていた人たちが、山鳩が鳴きはじめ春が訪れるころ、里の人々のもとにようやく帰ってくる日を待ちわびている気持ちを表したものといわれています。
尾瀬の春とはいっても、鳩待峠の標高は1,591メートルもあり、平地とは2~3ヶ月のずれがあります。峠の入り口から山ノ鼻の山小屋までは、1時間くらいのゆるい下り坂のコースですが、久しぶりに家族のもとへと帰る人たちは、逆に息せき切ってのぼったことと思います。

水芭蕉純白の苞誰がために

平地では桜前線が話題になっているころ、尾瀬の雪解けが少しずつ始まります。木道の間から水芭蕉がためらいがちに顔をのぞかせるのが、5月半ばころ。それからの2か月間はまさに地球というクリエイターによる花の世界です。
わたくしは今まで水芭蕉の花の構造がよくわからないまま、楽しんでいました。やっと、苞とガクの違いも分かった気がします。「仏炎苞」なんて、初めて知りました。確かに、仏様の背で神々しく光彩を放っている飾りにそっくりですね。水芭蕉の立ち姿を白い妖精ともいわれますが、それは花びらではなく、正体は葉。中心の花序を守る衣服のアウターと思えばいいんですね。
美しい水芭蕉を見ていると、生命の神秘も感じます。
しかし調べてみるとわたくしなどは、知らないことばかりです。水芭蕉は蜜を分泌しないため、独特の臭いで虫を誘う虫媒花なんですね。受粉後に種子は湿原の水に運ばれ、小さな沢沿いなどで発芽するんだそうです。そういえば、カラマツ林のような、尾瀬らしい湿原を縁取る美しい写真をよく見かけます。水芭蕉の花は中心にある萌黄色の部分ですが、ツキノワグマの大好物とのことです。
来春以降、尾瀬に来られる際には、マイカー規制や交通機関の乗り継ぎ、駐車場とともに、特に熊の出没など十分確かな情報をご確認ください。

車椅子頬を撫でるや尾瀬の風

右側の写真が燧ケ岳です。尾瀬沼は燧ケ岳の噴火により、沼尻川が堰き止められて形成されました。木道を歩く際、かなり足が棒みたいになるほどの疲労感に襲われると思いますが、行きも帰りも燧ケ岳と至仏山が、ふと空を見上げた時元気づけてくれます。
尾瀬はゴミ持ち帰り運動の発祥の地といわれます。
尾瀬の生態系も、鹿や熊の食害、生活排水の富栄養化など、徐々に厳しくなっています。地球温暖化という問題もありますが、ゴミを持ち帰ることは小さなことのように見えて、大きな課題の解決に向けて大事なことですよね。
環境保全とバリアフリー!
これこそは美しく沈黙を守りながら、尾瀬が訪れる人たちに問いかけている、未来に向けてのテーマのような気がします。
現在、木道は東京電力グループを中心にメンテナンスがされていますが、その総延長は65Kmといわれます。カラマツ材にて補修と交換がされています。
防腐剤も使わないため、木道の架け替えのサイクルは10年前後といわれます。
ゴミの持ち帰りをはじめ、カメラの三脚などを湿原に立てたりしないようにお願いいたします。また、木道に腰掛け何気なく湿原に足を下すと裸地化してしまいます。
昔、尾瀬に詳しい方が
「湿原をうっかり踏んだ場合、元に戻るのはうんと時間がかかる。ひと踏みウン十年だよ」
と言っていたことを思い出します。
尾瀬の美しさは、微妙なバランスの上に辛うじて成り立っています。


一期一会といいますが、木道でかわす「こんにちは」の挨拶はいいものですね。
木道の幅は50cmですが、3倍の150cmの幅の車椅子用の木道もあります。
大清水湿原に336mと距離は短いですが、さらに156m延長する計画もあるとのことです。こちらも訪れる時点での、ご確認をお願いいたします。
尾瀬をみんなで大切にして、誰でも利用していただきたいです。

分水嶺三条の滝水の絵師

山ノ鼻から竜宮分岐を経て見晴まではひたすら歩きます。
見晴はその名の通り、360度の景観を見渡せます。至仏山と燧ケ岳を結ぶ木道沿いは、尾瀬ヶ原の花々が季節ごとに姿を変えて迎えてくれます。特に7月半ばからの1カ月間は、ニッコウキスゲの群生が見事です。花の名前からすぐ連想できる、山吹色がきれいですね。個々の花は小さくても、群生する姿は短い夏を謳歌しているようです。
たまたま今、記事を書きながらニッコウキスゲの花言葉を検索してみたら
"日々新たに""心安らぐ人"とありました。
ニッコウキスゲは一日花。夕方にはしぼんでしまうんですね。そのはかなさが、一日を懸命に生きる健気さとも感じさせるんでしょうか。
また、心安らぐ人という言葉もいい得て妙ですね。わたくし自身、高嶺に置く花というより身近に置きたい花です。
見晴から三条の滝までが結構キツイです。ここには途中に平滑ノ滝もあり、尾瀬ヶ原の沢の水や雪解け水が集まり、一気に日本海へ向けて勢いよく流れ落ちます。三条の滝まで行ったのは、夏、一度だけですが、展望台からはすぐ目の前です。まさに瀑布。凄まじい音量と水量はいい思い出です。
ここは太平洋と日本海の分水界になり、ここから流下した水は只見川を経て、阿賀野川へと落ちます。
時期は限定されていますが、「魚沼から行く尾瀬ルート」として、新潟県、福島県側からも、楽しい船旅が運航されています。JR浦佐駅から路線バスにて奥只見ダムに行きますと、遊覧船が待っています。尾瀬の船着き場に向かう水と空の景観はさぞかしパノラマのような美しさではないかと想像いたします。船着き場で沼山峠行きの乗り合いバスに乗車し、65分ほどで峠の登山口に到着します。
ここからは、大江湿原が広がっており、尾瀬沼までの距離はさほどではありません。
遊覧船とバスの運航は通常10月半ばで終了となり、事前の予約が必要とされています。こちらの方面から訪れる際は、最新の情報をお確かめください。


尾瀬は日本列島のほぼ中央、天空に広がる高層湿原です。
ぜひ、多くの皆様に訪れていただければ嬉しく思います。

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